「パンくずリストとは?パンくずリストのメリットと種類、導入の際のポイント」
2022年12月9日
昨今の SEO対策といえば真っ先に“コンテンツ”を思い浮かべる方は非常に多いのではないでしょうか。
ユーザーの知りたい情報を正しく分かりやすく発信することの重要性が益々問われる時代になってきているのを実感しているというサイト運営者の方もいると思います。
確かにコンテンツは SEOで上位表示を目指す上でも非常に重要な要素ですが、少なからず同じジャンルで同じテーマで書かれた高品質なコンテンツが存在するというケースも出てくると思います。
甲乙つけがたいコンテンツが存在した場合、Google が優先するサイトはコンテンツ以外の要素で優劣をつけることになります。
つまり、サイト内に優れたコンテンツが存在していたとしても、その他の部分で他のサイトに負けてしまう場合も起こりうるということです。
今回はそんなコンテンツ以外の分野できちんと抑えておくべきポイントの一つとなる「パンくずリスト」に焦点を置いてみたいと思います。
・パンくずリストとは
SEO 対策を行う上で、簡単なようでとっても重要な項目として「パンくずリスト」というものがあります。
パンくずリストとは、WEB サイト上で、自身が現在閲覧しているページがサイト上でどの位置にあるかを階層構造で示したものです。一般的にページの上部に表示され、クリックすることで、すぐに上位階層のページへ飛ぶことが出来ます。
例えば ECサイトでパーカーについて調べていたとしたらこのように表示されるでしょう。
「ホーム>アパレル>トップス>パーカー」これがパンくずリストと呼ばれるものです。
なぜこの WEB サイト上に表示される階層構造が「パンくずリスト」と呼ばれるのでしょうか。
この理由が童話「ヘンゼルとグレーテル」にあります。
彼らは森へ入る時、迷子にならないように自身の通ってきた道に、パンくずを置いてきました。
この童話が由来になり、WEB サイト上でユーザーが今どこの階層にいるのか一目でわかるように示すリストが「パンくずリスト」と呼ばれるようになりました。
・パンくずリストのメリット
なぜこのパンくずリストが SEO対策において重要とされているのでしょうか。
そこには、ユーザー目線とクローラー(検索エンジン)の双方のメリットが存在するからです。
ユーザー目線から見たパンくずリストのメリット
ユーザー目線から見たパンくずリストのメリットとして代表されるのは、簡単に上位階層のページへ遷移出来るという点です。
先ほどの例で考えてみましょう。
EC サイトでパーカーについて調べていた人が、いいパーカーを見つけ、それに似合うボトムスも欲しくなったとします。この場合にパンくずリストは役に立ちます。
「ホーム>アパレル>トップス>パーカー」
このパンくずリストによって、ボトムスが欲しい場合には上位階層である「アパレル」の階層へ遷移すれば行けばよいということがユーザーにはわかり、そのまま次のショッピングを続けることが出来ます。
このようにパンくずリストは WEB サイトのユーザビリティを向上させ、サイト内回遊率を上昇させることで、結果的に CV 数を上げる可能性を秘めています。
クローラー目線から見たパンくずリストのメリット
クローラー目線から見たパンくずリストのメリットとしては大きく分けて3つがあります。
・①クローラーの巡回効率の向上
パンくずリストを設置すると、クローラーはそれを通って効率よくサイトを巡回できるようになります。そのため、クローラーに正
しい情報を伝え、正しい評価を受けることが出来るようになり、結果として検索結果の向上につながることがあります。
・②パンくずリストは内部リンク対策になる
パンくずリストはそのまま、内部リンク対策になります。内部リンク対策をすると、クローラーの巡回効率が向上するのはもちろん、関連度の高いページを内部リンクでつなぐことで、リンク先のページの評価を上げることができます。
・③検索結果への影響
パンくずリストを作成すると、検索結果上にパンくずリストを表示することが出来るようになります。これによって検索結果の段階で、ユーザー自身が探しているサイトかどうかがわかりやすくなり、クリックの向上へとつながります。
・パンくずリストの種類
ここまでメリットを述べてきたパンくずリストですが、実際に作る場合にはどのような種類があるでしょうか。大きく分けて3つの種類があるとされています。
・1.位置型パンくずリスト
WEB サイトの階層構造に準じたリスト型の表示形式です。メリットとして、自分にいる位置を理解しやすいことや上位の階層構造に移動しやすいことなどがあげられ、最も一般的に利用されている型になっています。
例:「ホーム>アパレル>トップス>パーカー」
・2.属性型パンくずリスト
タグやカテゴリーの分類を基にした表示形式です。「同じカテゴリーの商品・記事をもっとみたい」と思ったときにそのままカテゴリーを見ることが出来ることが強みとなっており、検索フィルタのような役割を担っています。
例:「カテゴリー:パーカー」
・3.パス型パンくずリスト
WEB サイト内でユーザーが辿ったページの履歴を示すリスト型の表示形式です。機能として「戻る」ボタンの機能以上のことを果たすことはなく、あまり使われない型になっています。
・パンくずリストを作成するときに注意点
最後に、実際にパンくずリストを作る際の注意点について説明いたします。
・①誰にでもわかりやすい階層構造にする
せっかく作成するなら、パンくずリストを利用するユーザーが理解しやすいものでなければ意味がありません。シンプルでわかりやすい構造を心がけましょう。
パンくずリストの前後に関連性が低いカテゴリーを並べてしまうとユーザーも迷ってしまい、結果として SEOの効果も薄れてしまうことに繋がりますので、以下のような関連性の高いカテゴリー構成にし、クローラーが回遊しやすいように意識しましょう。
ファッション EC サイト例)
「ホーム(大カテゴリー) > トップス(中カテゴリー) > パーカー(小カテゴリー) > アイテム一覧(コンテンツ)」
・②ページ上部に配置する
クローラーはページの最上部のパンくずリストを利用します。そのため、設置する際にはページの最上部に配置しましょう
・③スマホの閲覧でもパンくずリストを表示する
現在、多くのユーザーは検索をスマホ上で完結させるようになり、Google もモバイルフレンドリーであることを重要視します。そのため、スマホでも表示できるようにしましょう。
・まとめ
パンくずリストはユーザーにとってもサイトを評価するクローラーにとっても重要な項目になっています。
冒頭でも触れたように、サイト内に優れたコンテンツが存在していたとしてもその他の部分で使い勝手が優れていない場合には、ユーザーが知りたい情報に辿り着くまえに離脱してしまうこともあります。
そうなってしまったらせっかくの優れたコンテンツも宝の持ち腐れになってしまいます。
パンくずリストをきちんと設定することで、ユーザーと Google にとって分かりやすいサイト構造にも繋がりますし、カテゴリーを絞ることで専門性の面でも良い影響を与えるでしょう。
パンくずリスト設置にはメリットしかありませんので、 もしご利用されていない場合には、ぜひ自身のサイトにパンくずリストを追加してみてはいかがでしょうか。