「よく聞くけど、クローラーって何?検索アルゴリズムを支えるクローラーを解説!」
2024年10月10日
広大なインターネットの世界に欠かせない存在「クローラー」
インターネットの広大な世界には、日々膨大な情報が生み出され、更新されています。この情報の海から必要なデータを効率的に見つけ出すために欠かせない存在が、「クローラー」です。クローラーとは、Web サイトを自動的に巡回し、情報を収集するプログラムのこと。検索エンジンの裏側で黙々と働き、私たちのインターネット体験を支えています。本記事では、このクローラーの仕組みや役割、そして Web サイト運営者が知っておくべきポイントについて詳しく解説していきます。
クローラーとは
クローラー(別名:ウェブクローラー、スパイダー、ボット)は、インターネット上の Web ページを自動的に巡回し、そのコンテンツを収集・分析するプログラムです。
主な役割は「Web ページの発見と収集」「コンテンツの分析とインデックス化」「Web サイトの構造や品質の評価」「新しい情報や更新の検出」となっており、Google などの検索エンジンが使用し、最新の Web 情報を継続的に収集することで、ユーザーに最適な検索結果を提供する役割を果たしています。
クローラーの動作プロセス
クローラーの動作は、大きく分けて 3 つのステップで構成されています。
1.クローリング
クローラーは、まず特定の URL から開始し、そのページ上のリンクを辿って次々とWeb ページを巡回します。この過程で、ページのコンテンツ、画像、動画などのデータを収集します。
2.インデックス作成
収集したデータは、検索エンジンのデータベースに保存され、インデックス化されます。このインデックスは、キーワードやフレーズと、それらが含まれる Web ページの関連付けを行います。
3.ランキング
ユーザーが検索クエリを入力すると、検索エンジンはインデックスを参照し、最も関連性の高いページを特定します。そして、様々な要因(コンテンツの質、サイトの信頼性、ユーザーエクスペリエンスなど)を考慮してページをランク付けし、検索結果として表示します。
クローラビリティとは
クローラビリティとは、これまで説明してきたクローラーが Web 使途を巡回しやすい度合いを指します。クローラビリティの高いサイトは、早い段階でクローラーに巡回してもらえるため、検索結果に反映されやすくなり SEO としての効果が高まるメリットがあります。せっかく質の高い記事を作成しても、クローラーがたどり着くことができなければ意味がなくなってしまうため、SEO対策を行う上で特に気を付けたいポイントとなります。
クローラビリティを向上させるポイント
クロール状況の確認
改善を行う上で現状の把握は不可欠です。Google サーチコンソールでは、クロールの統計情報が確認できます。改善の際にはまず、どこに改善の余地があるか確認するとよいでしょう。また、サーチコンソールでは新しく作成してまだクロールされていないページのクロールをリクエストすることも可能ですので、積極的に利用していきましょう。
URL の構造・階層の見直し
クローラーがクロールしやすいように、シンプルで論理的な URL 構造を採用しましょう。また、URL の中にコンテンツに関連する KW を含めることでクローラーにコンテンツ内容を教えてあげることも効果的です。
XML サイトマップの作成と登録
XML マップとはサイトの構造を示すファイルで、クローラーはこれを読み取ってクローリングを行うことができます。そのため、 XML サイトマップを登録することで、クローラーにサイト構造を明確に示し、クローラーの巡回を促進することができます。
内部リンクの最適化
リンク構造があべこべだと、クローラーも適切にクローリングすることができなくなります。適切な内部リンクでサイト内の回遊性を向上させましょう。
ページ表示速度の改善
ページロードの速さは、そのままクローラーが巡回する速さに直結します。これが遅いとクローラーの効率的な巡回を阻害するだけでなく、ページの評価を下げることにもなります。高速なページロードでクローラーの効率的な巡回を支援しましょう。
モバイルフレンドリーなデザイン
2024 年 7 月より、Google は全てのウェブサイトをスマートフォン用のクローラーでクロールするように完全移行しました。そのため、クローラビリティの向上を行う際には、スマートフォン向けクローラーの巡回を考慮することが不可欠です。
robots.txt ファイルの適切な設定
robots.txt ファイルとは、クローラーの動きを制御するファイルで、ページへのアクセス許可・制限を管理することができます。古くなったコンテンツなど、見てほしくないページにはこれを設定することで評価の低下を防ぐことができます。
重複コンテンツの排除
同じ内容が複数の URL で表示されないように注意しましょう。もし、同じ内容のページが複数の URL に存在する場合には、評価してほしい 1 つの URL に統一するために正規化(canonicalization)を行いましょう。
クローラーと付き合い続ける
クローラーは、現代のインターネットにおいて欠かせない存在です。Web サイト運営者にとって、クローラーの仕組みを理解し、それに適したサイト作りを行うことは、検索エンジンでの露出を増やし、より多くのユーザーにリーチするために非常に重要です。
質の高いコンテンツの提供、適切なサイト構造の構築、技術的な最適化など、クローラーフレンドリーな施策を継続的に実施することで、長期的にはサイトのパフォーマンス向上につながります。常に最新の SEO トレンドやクローラーの動向に注目し、適切に対応していくことが、成功への近道となるでしょう。