Chrome、ユーザー体験を損ねるジャマな広告は表示しなくなると発表
2017年06月30日
Googleが、ユーザー体験を損ねるようなジャマな広告は今後一切表示をしなくなることを発表しました。
予定では2018年初めごろからの実装を予定しているそうです
今後は誤クリックを誘発するタイプの広告表示はなくなりそうですね。
表示を制限する背景
広告そのものは健全な経済活動ですが、ユーザー体験を損ねる広告の増加が見られることから今回の発表に至ったのではないかと考えられます。
誰もが経験したことがあると思いますが、Webサイトを閲覧しているときにいきなり大きな音楽が再生されたり、記事を見る前に強制的に見せられる広告など、この様な広告はやはりユーザーにはとって不愉快なものではないでしょうか?
ユーザーにとって受け入れがたい、顧客体験を悪化させるタイプの広告は検索エンジンそのものの質を下げるものと考え、 さらに良質な広告はちゃんとユーザーに届くように今回の発表をしたのではないかと思います。
Coalition for Better Adsとは
発行者、閲覧者のどちらにとってもより良い広告を提供するために「Coalition for Better Ads」という団体が組織されています。(=より良い広告のための連合)
この団体が、より良い広告手法として標準化を進めているのが、
「Better Ads Standard」です。
どの種類の広告が好まれないのか、消費者の好みを計測することでユーザー体験を損ねることが少ない広告手法の標準を求めるものです。
これは、標準として使うべき広告を推奨するのではなく、使わない方がいい手法にフォーカスしています。
GoogleはこのCoalition for Better Ads に参画しているため
Better Ads Standards標準に準拠する広告を掲載するサイトを増やし、準拠していない広告を掲載するサイトは減らしていくという考えを根底に持ち、準拠していない広告を掲載するサイトをユーザーが閲覧した場合には、広告を一切表示しなくなります。
いわば広告ブロック(Ad Blocker)が標準機能として働くことになるのです。
掲載している広告に問題があるかチェックできるツールの提供
またこれにあわせてサイトに掲載している広告に問題があるかどうかを調べるツールが Search Consoleに追加されました。
「Ad Experience Report」(アド エクスペリエンス レポート)というツールで サイトの広告が Better Ads Standards に違反していないかどうかを知ることができます。(PCとモバイルで別々にレポートされる)
このツールでは審査完了後に問題がある場合は修正が必要な広告のスクリーンショットと動画で指摘するとのこと
なお、違反が検出された場合は問題点を修正し再審査のリクエストが可能です。
主にブロックされる広告手法について
低品質といわれる広告は、
デスクトップサイトで4種類、モバイルサイトで8種類です。
=デスクトップ
- ポップアップ広告ーメインコンテンツを見ようとした際に強制的に前面に出現する広告(モバイル検索で評価を下げるインタースティシャル広告も同様の扱いとなる)
- オートプレイング ビデオ広告ー音声と共に自動再生される動画広告(大体のものがページを開いた際にいきなり大音量で再生され驚く広告。。)
- プレスティシャル カウントダウン広告ー「記事に移動するまであと〇秒」といった表示と共に一定の時間広告を見た後にやっとメインコンテンツを閲覧できるようにする広告
- ラージ スティッキー広告ーページをスクロールしていってもずっとついてくるあの広告。。
=モバイルサイト
デスクトップサイトの広告手法4種類に加えて、以下の4種類↓
- 高さがメインコンテンツの30%を超えている広告
- フラッシュアニメ―ション広告ー色がカチャカチャと切り替わり点滅する広告
- ポストスティシャル広告ー広告を消すため「×閉じる」をタップしてから数秒待たせた後にメインコンテンツに移動できるようにする広告
- フルスクリーン スクロールオーバー広告ーページをスクロールしていくとメインコンテンツ1ページにまるまる覆いかぶさるように出現する広告。。(かなり邪魔そうです)
なおこれらの広告のブロックについて、Googleが配信する広告でも例外はないそうです。
ユーザーの立場からすると、
この様な広告が自動的にブロックされるとなったらスムーズにコンテンツがみられるようになり良いことだと思いますが、サイト管理者としては広告掲載に対しても判断が重要になってくるので、今の段階から認識を深めておきましょう。